フタユビナマケモノ
Choloepus didactylus

総合評価
- 高
- 中
- 低
この動物をペットにすることには高いリスクが伴います。再検討を強く勧めます。
この動物のペット飼育には、中程度のリスクがあります。そのリスクを理解した上で飼育者としてきちんと責任を果たせるか、よく考えて判断してください。
この動物をペットにすることのリスクは低いでしょう。しかし、どのような動物であっても命を預かる重い責任があることを忘れないでください。
この動物をペットとして飼育することについて、5つの観点で評価しました。赤いアイコンは、該当するリスクが高いことを意味します。
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保全
リスク保全
リスクペット利用を目的とした野生個体の捕獲(繁殖のための捕獲や囲い込みを含む)により絶滅のおそれが高まるリスク -
飼育の合法性
リスク飼育の合法性
リスク違法な捕獲・取引(売買や譲渡譲受)や飼育など飼い主の住む国や地域の法令に抵触するリスク -
健康・公衆衛生
リスク健康・公衆衛生
リスクペット飼育により飼い主や周囲の人々が健康上の影響を受けるリスク及びペット由来の大規模感染症を引き起こすリスク -
動物福祉
リスク動物福祉
リスクペットを適切に飼育しない/できないことで動物福祉を満たせないリスク -
外来種
リスク外来種
リスクペットが野生化し、飼い主の住む地域の生態系や人の生活に悪影響を与えるリスク
アイコンにマウスを合わせると、
こちらに説明が表示されます。
こちらに説明が表示されます。
ここに注意!
- 密猟や密輸が報告されています。
- 体温調節ができないため、飼育施設内の温度・湿度の管理を適切に行う必要があります。
- 飼育施設内にはぶら下がるのに十分な長さと高さの木を設置し、日陰もつくります。
- 夜行性なので照明管理を適切に行います。

基本情報
- 分類
- 有毛目フタユビナマケモノ科
- 生息地
- 南米北部の森林
- 体の大きさ
- 体長:53~73cm
体重:4~8kg - 寿命
- 野生では20年、飼育下では30~40年程。
- 食性
- 野生では主に葉や果物などの植物を食べます。昆虫などを食べることもあります。
- 生態・特徴
- 夜行性で樹上で単独で行動します。日中は15時間ほど眠り、夜は採食のために活動します。動きは非常にゆっくりで、ほとんどの時間を木にぶら下がって過ごします。地上に降りるのは、別の樹に移動するためと排せつのためだけです。代謝率が低く、排便は週に1回しかしません。
専門家からのひとこと
広い飼育スペースが必要で、高温多湿に保つ必要があるほか、カビ対策などをしなければならないためペットとしては適していません。日光浴や止まり木の設置できる環境の確保が必要です。また、餌としては、常に新鮮な野菜が必要です。気性が荒く、噛みつく可能性があるため注意が必要です。動かないイメージがありますが、運動量が必要です。
千葉市動物公園 動物科学館グループ
参考情報
評価方法
ペット適性の評価は、5つのリスクの高低という観点で独自に作成した基準を用いて野生生物の保全と取引の専門家チームが、各分野の専門家の意見を得ながら実施したものです。
対象としたのは、エキゾチックペット(ペットとして取引・飼育されている犬・猫以外の動物)です。
この評価は、種/グループレベルで行っているため、個体ごとに状態が異なる点は評価に含めていません。こうした個体の状態がペット飼育に伴うリスクに影響する点は「飼い主チェック」で把握できるようにしています。
また、合法性リスクの評価基準には、生息地での密猟や密輸の可能性・深刻度は含まれていません。これらは、非常に重要な点ですが、使用できる適切な情報が不足していると判断したためです。
評価基準の作成には、各国各分野の専門家の協力を仰ぎました。今後も関連する法令の改訂や知見の蓄積に伴い、適宜基準の改訂及び再評価を行う予定です。