オニオオハシ
Ramphastos toco
総合評価
- 高
- 中
- 低
この動物をペットにすることには高いリスクが伴います。再検討を強く勧めます。
この動物のペット飼育には、中程度のリスクがあります。そのリスクを理解した上で飼育者としてきちんと責任を果たせるか、よく考えて判断してください。
この動物をペットにすることのリスクは低いでしょう。しかし、どのような動物であっても命を預かる重い責任があることを忘れないでください。
この動物をペットとして飼育することについて、5つの観点で評価しました。赤いアイコンは、該当するリスクが高いことを意味します。
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保全
リスク保全
リスクペット利用を目的とした野生個体の捕獲(繁殖のための捕獲や囲い込みを含む)により絶滅のおそれが高まるリスク -
飼育の合法性
リスク飼育の合法性
リスク違法な捕獲・取引(売買や譲渡譲受)や飼育など飼い主の住む国や地域の法令に抵触するリスク -
健康・公衆衛生
リスク健康・公衆衛生
リスクペット飼育により飼い主や周囲の人々が健康上の影響を受けるリスク及びペット由来の大規模感染症を引き起こすリスク -
動物福祉
リスク動物福祉
リスクペットを適切に飼育しない/できないことで動物福祉を満たせないリスク -
外来種
リスク外来種
リスクペットが野生化し、飼い主の住む地域の生態系や人の生活に悪影響を与えるリスク
アイコンにマウスを合わせると、
こちらに説明が表示されます。
こちらに説明が表示されます。
ここに注意!
- 海外ではオオハシ科の密輸が確認されています。
- 飼育には広いスペースが必要です。
- 熱帯地域に生息するため、適切な温度・湿度管理が必要です。
- 鉄を非常に吸収しやすい器官を発達させており、飼育下ではヘモクロマトーシス(鉄蓄積症)を引き起こすことがあるため、食餌中の鉄分摂取量を適切に管理する必要があります。
- 人獣共通感染症のエルシニア症の感染源となるおそれがあります。
©千葉市動物公園
基本情報
- 分類
- キツツキ目オオハシ科
- 生息地
- 南米の森林に生息します。
- 体の大きさ
- 体長:平均61㎝
体重:592~760g
大きなくちばしは全長の1/3、体重の1/20を占めます。 - 寿命
- 野生では20年、飼育下では18年程。
- 食性
- 野生では主に果物を食べますが、昆虫やほかの鳥の卵を食べることもあります。
- 生態・特徴
- 昼行性で、約6羽の群れで暮らす社会性の高い動物です。声が大きく、さまざまな鳴き声で仲間とコミュニケーションをとり、木の洞やキツツキが開けた穴に巣を作って繁殖を行います。季節によりエサとなる果物の種類が変化するため、広範囲を移動します。
専門家からのひとこと
オニオオハシは飼育する上で、広い空間が必要です。警戒心が強く神経質な性格で、攻撃性もあります。餌は、野生下で果物、虫、小動物、小型の鳥などを食べる雑食性の鳥です。寒さに弱いため、飼育環境の温度・湿度の管理が必要です。過度なスキンシップや騒音、強い光などはストレスとなるほか、静かな環境を提供する必要があるため、一般家庭でペットとして飼育するには難しい動物です。
千葉市動物公園 動物科学館グループ
参考情報
評価方法
ペット適性の評価は、5つのリスクの高低という観点で独自に作成した基準を用いて野生生物の保全と取引の専門家チームが、各分野の専門家の意見を得ながら実施したものです。
対象としたのは、エキゾチックペット(ペットとして取引・飼育されている犬・猫以外の動物)です。
この評価は、種/グループレベルで行っているため、個体ごとに状態が異なる点は評価に含めていません。こうした個体の状態がペット飼育に伴うリスクに影響する点は「飼い主チェック」で把握できるようにしています。
また、合法性リスクの評価基準には、生息地での密猟や密輸の可能性・深刻度は含まれていません。これらは、非常に重要な点ですが、使用できる適切な情報が不足していると判断したためです。
評価基準の作成には、各国各分野の専門家の協力を仰ぎました。今後も関連する法令の改訂や知見の蓄積に伴い、適宜基準の改訂及び再評価を行う予定です。